13回目の講義のテーマは、「組織としてのリスクマネジメント体制③」について。特に満足度調査についてお話しをしました。
患者満足度は、患者による医療の質の評価という側面もあります。一方で、患者は医療のどの部分を評価しているのか、という考え方があります。つまりは、医療機関で行わるサービスのどこを評価しているのか、ということです。
よく言われますが、医療者と患者の間には情報の格差があるためです。
つまりは、医療サービスという広義の意味でとらえると、その中には、診療や検査、手術や投薬などが入る一方で、受付対応や待ち時間、ベッドの硬さや食事のおいしさなども含まれるということです。
このような幾つかの要素が組み合わさって満足度が形成されるため、患者満足度はどのようなものかということを理解することが重要です。
加えて、合わせて覚えたいのが職員満足度。医療機関では職員あっての医療です。
職員がいきいきと働いている現場は、医療の質の維持、向上にも寄与するのではないか?一方で、満足度の低い職場では、ミス多くなるのではない?という考え方もあります。
満足度調査は、とても有効な指標である一方で、理解が重要です。
そんなことを、医療サービスを整理しながらお話しました。
<目次>
・リスクマネジメントにおける満足度調査
<今回取り上げた事>
・製品とサービス
・サービス業の特性
・医療はサービスか
・医療サービスと患者サービス
・医療サービスの特徴
・医療の質と患者サービス
・患者と医師との情報量の格差を埋める際のポイント
・医療サービスのまとめ
・医療サービスに関する国民の意識
・外来患者・入院患者別の病院に対する全体的な満足度
・外来患者の項目別の満足度
・外来患者の診察等までの待ち時間、診察時間
・入院患者の項目別の満足度
・入院期間別にみた入院患者の満足度(患者対応)
・入院期間別にみた入院患者の満足度(食事)
・待ち時間の現状
・待ち時間の許容範囲
・待ち時間の許容に関連する因子
・待ち時間の対策の整理
・待ち時間の対策の流れ
・待ち時間についての別の視点
・国内の7098名の看護師への質問紙調査の結果
・職員満足度の変化と影響
・健全な医療経営と満足度の関係図
・医療コーディネーター
・医療コンシェルジュ
・医療メディエーター
・医療コミュニケーター