今回は「ヒューマンエラー」がテーマです。人間は必ず間違いを起こします。ヒューマンエラーをゼロにすることは不可能ですが、それに対して対策をたてることは可能です。
予防策と拡大防止策。そもそもエラーは許容範囲からの逸脱を意味するものなので、許容範囲を変えてしまうことも。
今回も理論やら対策やらなかなかに難しい内容。さて、伝わったかな。
とにかく、講義をすると自身の理解がほんと進む。本を読み直して、頭の中で整理されて、文字に起こして、それを伝えるために練習をして、実際に講義をする。講義を行うたびに、普段の活動との接点が生まれ、特にリスクマネジメントという分野は、人間の深層心理や組織の活動原理などを考えるので、あらためて勉強になる。
そんなこんなで、本日もお疲れ様でした。次回は、リスクマネジャーという人にフォーカスした話をする予定です。そしてその後は、リーダーシップとコーチング。これまた、頭の中が整理されたら、おもしろいことが見えてきそう。
追伸、
これでようやく講義の1/3が終わり。まだ10コマもあるって、大学の先生はこれを何教科もやるってすごいな… 初年度の作業量ハンパない(笑)
目次
・ヒューマンエラーとは
・情報処理とヒューマンエラー
・ヒューマンエラー対策
・医療システムの特徴とチームによるエラー
<今回取り上げたこと>
・ヒューマンエラーの定義
・人間の行動メカニズム
・レヴィンのモデル
・コフカのモデル
・天秤モデル
・ヒューマンエラーの分類
・行動主義による分類
・未実施エラー
・誤実施エラー
・余計な行為エラー
・順序間違い
・タイミング間違い
・認知心理学の原因による分類
・記憶違い(ラプス)
・実行しようとする判断は正しいが異なった行為の実行(スリップ)
・判断そのものが間違い(ミステイク)
・情報処理プロセス
・知覚:視覚、聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚、皮膚感覚
・認知予測
・見たいものを見る
・期待聴取
・こじつけ解釈
・ゲシュタルト特性
・意思決定
・正常化の偏見
・同町効果
・権威勾配
・社会的手抜き
・リスキーシフト
・集団浅慮
・記憶
・感覚記憶
・短期記憶
・長期記憶
・忘却曲線
・記憶変容
・注意制御
・容量に限界がある
・選択的で方向性がある
・強度が変化する
・行動:ラムヌッセンのSRKモデル
・ヒューマンエラーは、その人になりきって考える
・ヒューマンエラー対策の目的
・発生防止と拡大防止
・戦略的エラー対策の4段階
・作業遭遇数の低減
・エラー確率の低減
・多重エラーの検出対策
・被害を最小とする備え
・医療システムの特徴
・チームによるエラー対策8つ
・安全文化の醸成