昨日に続いて、温気の2日目が終了しました。
本日は下記セッションに出席しました。
・シンポジウム2「座位からの活動的な生活習慣への行動変容-安全かつ効果的な活動とは-
・シンポジウム3「温泉医学のエビデンス構築」
・研究奨励賞講演
・シンポジウム4「高濃度炭酸泉入浴の効果」
・特別報告3「温度受容体TRPC1チャネル」
今日の内容でおもしろかったのは、1つは「気候性地形療法」です。ドイツではクアオルトという療養地・健康保養地が有名ですが、それが保険の中にて含まれていて療養が可能です。また、療養とは関係なく、健康増進という視点で、多くのドイツ国民が利用します。そのクアオルトは温泉地であることがほとんどですが、そこに自然の中での運動療法も取り込み、健康を促すというのが、「気候性地形療法」です。
この気候性地形療法は、持久力の増強に大きな効果があると言われており、保険適用の範囲内のようです。適応症は心臓リハ、高血圧症、骨粗しょう症等のようですが、もちろん一般の健康の方が行えば、それだけ健康増進に繋がるということかと思います。定められたルートを歩くことになるのですが、傾斜のある土地(つまりは山道など)を週に3-4回、4週間くらいかけて行うようです。これには、クナイプの水治療や水泳、体操、ヨガとかと組み合わせます。
この取組みは、日本のような7-8割が山である国では、行える場所がたくさんあるように思います。
治療効果として、身体的体力向上やメンタルヘルス効果がエビデンスで言われているので、日本の山村で専用コースを作り、ガイドを置いて行えば、日本におけるクアオルト構想ができるかもしません。
とりあえず、檜原村では確実にできるなーと思いながら聞いていました。
あとは、上の気候性地形療法と同じカテゴリーですが、ノルディックウォーキングのエビデンスに関する講演もあり、これについても檜原村でそのままできそうです。
もちろん、温泉療法におけるストレス軽減効果や皮膚疾患への効果(泉源による)もエビデンスが出されているので、檜原村でもこのPRをしていくというのも1つです。
そんなことで、本日もそのまま活用できそうなものがたくさんあり、研究レベルで実践に活かさない手はないとうずうずしていました。
地方創生・田舎っていくらでも切り口あると思う今日この頃。
<本日の備忘録>
(シンポ2)「在位からの活動的な生活習慣への行動変容ー安全かつ効果的な活動とはー」
「クアオルト健康ウォーキング(気候性地形療法)」
・自治体における運動推進の課題と新たな視点:社会環境の整備
・ウォーキングを医療・予防の視点から「運動療法・運動指導」として推進
・スポーツ振興の視点で推進
・クアオルト:療養地、健康保養地。施設や療法ではない
・ドイツ374カ所。自治体数3%
・利用状況内訳:宿泊者数1億2000万泊/年。平均4.51泊。
・治療での滞在は1割前後。ほかは保養客
・気候性地形療法:自然の中での運動療法
・運動負荷が計測されたの山を歩く「地形療法(戸外の運動療法)」院外のリハビリ
・気候の要素=「冷気と風」の活用。皮膚を冷たく保つ歩行。持久力2倍の効果
>「気候性地形療法」。ドイツでは保険適用(持久力の大幅な効果)
・適応症:心臓リハビリ。高血圧、骨粗しょう症等
・運動設定:傾斜のある土地を治療負荷で歩く。定めたルートでの運動療法
・3-4週間、3-4回/週
・20-40分の継続的運動負荷
・心拍数
・クナイプの水治療、水泳・体操、ヨガなどと組み合わせ
・治療効果:身体的体力向上の効果とメンタルヘルス効果
・運動強度と主観的に「やや冷える」状態がポイント
・日本では、クアオルト健康ウォーキングは医師が係らない
・推進には
・専用コースの企画・設計
・人材育成・ガイドの育成
・健康保有地を目指す協議会の新設
・通年提供
・リスク管理
・コース
・参加者
・参加中
・ウォーキングのフロー>行動変容
・上山モデル。ドイツミュンヘン大学認定
・高度差を活用
・55-60%の運動の強さ、体表面を「
・気候性地形療法専門コース5カ所8コース
・クアオルト健康ウォーキングのマップ
・ウオーキングスケジュール
・効果
・翌日まで継続する心理効果:快感情↑、リラックス感↑、不安感↓
・実施体制:市、協議会、
・クアオルト弁当やこんにゃく懐石
・全国での取り組み状況
・全国でのコースマップは全国各地で
・クアオルト指標 評価グラフ
・まとめ
・医科学的手法の運動を提供し、行動変容を支援
・温泉を活用した水中運動や温泉療法と連携
・協議会組織の新設・様々な団体との連携
・食や宿泊との連携
・宿泊型新保健指導
・運動・栄養・休養を地域で提供する健康のまちを形成
「ノルディックウォーキング」
・ノルディックウォーキングに注目する理由
・日常歩行距離と死亡率の関係>ある程度の歩行が健康維持に必要
・運動量を確保することが必要>2000キロカロリー/週の群は死亡率がかなり下がる
・下肢の筋肉量は20代から減少する
・下肢の筋肉が高いグループ(高齢者)は5年生存率が高い
・脚筋力の有無が早歩き時の歩幅の大きさに、さらに歩行速度にも影響
・脚筋を使い、ある程度の強度が高い運動が必要
・健康寿命延伸の観点
・歩行量の確保、強度の高い歩行>ノルディックウォーキング
・ノルディックウォーキング:クロスカントリースキー選手がポールをつきながらランニング
・1999年に日本に紹介された
・特徴:ポールを使って歩く。そのため歩幅が大きくなる。上半身の筋肉も多く使う
・普通のウォーキングより大きく筋肉を使う
・ノルディックウォーキングとポールウォーキングの違い
・リリースしやすい先端、グリップがリリースできるような形状
・効果:体力向上、目的:エクササイズ、運動強度:強い
・ノルディックウォーキングは効果的か
・およそ20%エネルギー消費を増加させる
・心拍数への影響
・下肢の負担を軽減するかは、結論が出ていない
・健康になることを目的にしたノルディックウォーキング
・人工股関節、人工膝関節、関節負荷、頚椎述語リハ、健康教育、気分尺度、感情
・まとめ
・一般的な歩行よりも、
・歩幅が広い、使用する筋量が多い
・エネルギー消費が多い
・運動強度が高い
・ポールを使うことから、
・技術を習得する楽しさがある
・技術を習得すると運動効果が高い
「10歳若返る!「インターバル速歩」―その背景と効果のエビデンス」
・高齢者の体力・維持向上が重要
・持久性運動処方(米国スポーツ医学会)
・期待される効果:10%持久力向上>生活習慣病の改善
・普及しない:お金がかかる、
・熟年体育大学
・インターバル速歩トレーニング
・携帯型カロリー計
・ITnetworkシステム(サーバー)
・アドバイス機能がある
・インターバル速歩とは
・早歩きとゆっくり歩きを組み合わせて歩く
・3分ごと
・多くの人が3分間早歩きが難しいため、3分ごとの組み合わせ
・インターバル速歩の効果
・体力が向上する
・血圧の低下(普通の歩行では変わらない)
・まとめ
・20%の法則
・体力20%向上
・高血圧、高血糖、肥満、認知機能が20%改善
・医療費が20%削減
・1日1万歩かぞえるのはやめよう。ウォールストリートジャーナル
・さらば1万歩神話
・強度に着目した歩行運動が重要
・インターベル速歩はいろんな自治体で導入
・水中インターバル速歩の開発
・陸上より効果が倍ぐらいある
・インターバル速歩アプリの開発(AMED)
・熟年体育大学リサーチセンター
(シンポ3)「温泉医学のエビデンス構築~消火器領域より~」
「炭酸水が胃排出に与える効果」の研究から得たもの
・飲泉とは:温泉の飲むこと
・都道府県の判断で温泉の飲用許可
・炭酸泉の飲泉
・炭酸水が胃排出に与える効果の研究
・13C呼気試験法
・パラメーター計算法
・方法(流動食)
・方法(固形食)
・まとめ
・固形と炭酸水は、食事開始時に飲んだ場合、胃排出を促進
・固形物の摂取時には受容性弛緩を誘発する
・炭酸泉の飲泉療法や、炭酸水の食事での飲用の理由として、食欲増進効果を期待している可能性
・温泉の医学研究、マクロ、ミクロの視点
・代替医療の側面も重要
・今回の研究からえたもの
・温泉と医療
・昔から温泉は医療に深くかかわってきた
・断片的な事象について医学的評価が行われつつある現状
・大きな視点で医療との関わりを模索する必要
「温熱刺激を用いた急性・慢性腎障害対策」
・41℃10分間温水浸前後でのRPF、GFR、FFの変化
・温熱性血管拡張を示唆
・慢性腎臓病モデルマウスと温熱
・細胞内シグナル伝達経路を介した腎障害増悪機序と温熱の作用
・ヒトで期待される遅延期間
・慢性腎臓病対策の重要性
・ヒトの慢性腎臓病に対して温熱は善か悪か
・熱吸入デバイス開発
・急性腎障害と温熱
・「炎症極期に温熱療法禁忌」の意味するものは?
・「湯冷めをすると風邪をひく」の意味するものは?
・TRPチャネルを介したシグナル伝達解明>炎症性細胞への熱刺激の意味
・何らかの炎症全般において、プレコンディショニングが炎症を抑制するのではないか?仮説
「ランダム化比較試験に基づいたメタアナリシスを含むシステマティックレビューの概要」
・温泉の結果
・疼痛軽減効果:ほとんどでの研究で共通
・QOL向上:ほとんどの研究で共通
・探索的・実証的な研究が行われえる
・運動組みわせの結果
・潜在的な病気への研究があり得る
・方法・用語の定義
・2019年は4編
・2018年は4編
・2014-2016は6編
・2006-2013は4編
・研究の限界
・選択バイアス、定義の差異、介入の異質性、パブリックバイアスほか
・RCTよりもSR(システマティックレビュー)が多くなっている
・一次研究の重要性。RCTが必要
・温泉介入における内的妥当性を高める必要性
・温泉介入のチェックリスト。SPAC(19項目)
・SPACチェックリスト
・タイトル、はじめに、方法・場所(説明、ロケーション…)
・SPACを確かめる調査もした
・結果:10.8項目
・今後のまとめ
・温泉療法
・多様な疾患における疼痛軽減
・QOLの改善
・身体機能・体力の維持向上(運動介入と組み合わせ)
(研究奨励賞・講演)
「Stress Relief in Visitors with Skin Diseases Who Underwent Hot-spring Cure at Toyotomi Hot Spring」
・湯治用浴場38-39度、一般用40-41度
・温泉分析書:高調性弱アルカリ性温泉。Ph7.38。源泉温度34.2度
・豊富温泉湯治によるすとれる改善効果に対する調査方法
・湯治者への質問票
・2016.9-2018.8
・年齢10歳以上、皮膚疾患目的にて2週間以上の湯治予定115例(男性65例、女性50例)
・対象者115名:アトピー性皮膚炎103名ほか
・年齢:平均35歳
・滞在期間:27日
・1日の平均回数:3.4回
・10段階のストレススケールを利用。0-4がストレス改善
・環境因子が原因か、温泉水の効果か
・結果
・当事者の総ストレスは有意に減少した
・ストレス軽減に温泉水の効果が有意に貢献
・厚労省ストレスチェック6分類(29項目)におけるストレス改善
・当事者へストレスチェックを実施
・既存の解析結果(24000人)との比較
・全分類においてストレスが改善
・疲労感・不安感・抑うつ感において女性湯治者が男性よりストレスレベルの改善度が高かった
・湯治後に、ストレススコアが有意に改善
・皮膚病変の改善の有無によるストレス改善度
・皮膚病変改善の湯治者がストレス改善度が高い
・湯治者の睡眠・食欲・皮膚病変改善への期待
・皮膚病変の改善がストレス改善のトリガーになった可能性
・湯治者の期待が実現したことは、ストレス改善に繋がっている
・効果を更にあげる1回の入浴時間について
・10分ほど入り、あがり休息をとり2-3回これを繰り返す
・半身浴やかけ湯を行い、浸かりっぱなしにならない
・脱衣から着衣までトータル60分以内
・初めての湯治者は、1回30分程度から始める
・子供は1回あたり10-15分とし、1日2回
・1日の入浴回数について
・1日2-3回。湯治者は3階を越えていることも
・湯治中にカポジ水痘発疹や伝染性膿痂疹を発症るうことも
・湯治早期には入浴回数の増加によるアトピー性皮膚炎が悪化する可能性も、十分なオリエンテーションを
・湯治期間について
・15-46日の間で任意の湯治期間を設置した
・32.9日で改善傾向がおさまる。30-32日が良いのでは
・実際の湯治期間は男性27.3日、女性26.3日なので、少し短い
・結語
・温泉水による効果が、環境因子より有意
・皮膚病変の改善とストレス軽減が密接に関連
・客観的な研究が今後求められる
シンポ4「高濃度炭酸泉入浴の効果」
「高濃度炭酸泉足湯の活用」
・中国伝統医学の統合的な治療法
・内治法:中医約
・外治法
・足浴と中医学
・中国でよく耳にする足浴のことわざ
・中国での足浴文化の発展>足浴施設の普及
・浴槽がなくても、温泉がなくてもできる
・裸にならなくても良い。寒い冬対策
・娯楽
・フットケア
・伝統的な足浴器具(江蘇省揚州)
・生薬+温水(薬浴)
・生姜、肉桂+花椒
・花椒
・よもぎ
・紅花
・インフルエンザへの足浴処方
・研究「外来・インフルエンザ養成の小児への介入研究」
・結論
・一定の効果があるのでは
・足浴の活用
・エキス剤(保険適用)、内服・外用に活用できる
・足浴効果を高める。高齢者・子供にもよい
「高濃度人工炭酸泉のスポーツ現場での活用」
・人工炭酸泉と筋疲労
・エビデンスは少ない
・軟部組織硬化の改善
・以降は省略
(特別報告3)「温度受容体TRPV1チャネル」
「TRPV1の消化管での局在と消火器病疾患モデル動物における発言変化」
・43度以上だと熱くて痛いとなる
・温度感受センサーとしてのTRPチャンネル
・何度くらいの温泉が痛いと感じますか?
・43度、17度
・温度感覚+痛み