本日より3日間は第85回日本温泉気候物理医学会総会・学術集会です!1日目の報告

公衆衛生

今日から3日間は待ちに待った2020年度 第85回日本温泉気候物理医学会総会・学術集会です。

温泉好きが発展していつのまにか温泉療養指導員になり、そしていよいよアカデミックにも参戦する勢いです。

というものの今回はお試しで3日間覗いてみます。

で、1日目の今日は以下のセッションを拝聴しました。

・(記念講演)猪熊茂子「日本温泉気候物理医学会(温気)85年の重み」
・(特別講演1)環境省 岡野隆宏「「新・湯治」の推進~今の時代に合った温泉地での過ごし方~」
・(特別講演1つづき)日本健康開発財団 石田心「同上」
・(特別企画)竹田市長 首藤勝次「観光行政の取り組み~世界に~通用する個性的な温泉地づくり」
・あとは一般演題をちょこちょこと

温泉好きとしてはどれも興味深く、やはりエビデンスベースドな温泉医学を聞ける場としては刺激的でした。

以下の内容、自分の備忘録兼皆さまへの共有用に記録しときます。明日も1日勉強します!

というか、日本温泉気候物理医学会のこと「温気(おんき)」と略すことを知って新鮮だった(笑)あと、この学会から派生した今はメジャーな学会がいくつかあること、大学の医学講座も昔は帝大でもいくつかあったことに驚きました。医学の時の流れを感じた1日目でした。まさしく85年の重み。

<備忘録>
(記念講演)猪熊茂子「日本温泉気候物理医学会(温気)85年の重み」
・温泉医療の歴史
 ・19世紀に関連学会
 ・20世紀に国際団体
 ・1934年BCPM(日本温泉気候医学会)
・日本の温泉医療・医学
 ・温泉は火山活動に由来
 ・日本書記:温泉が初めて資料に登場
 ・仏教。8世紀。温室、寺湯(一般の人向け)
 ・僧侶の開湯伝説
 ・江戸時代以降に湯治が発展
・日本の温泉医療施設
  ・1926東京帝国大学 物理療法学講座
  ・慶應、温泉療養学研究所
  ・大学併設の温泉療法研究所は閉院・転換
・温気の成立と成り立ち
 ・会員数1859名(80%以上が医師、53%が療法医)
 ・15番目の分科会
 ・学会誌:原著140本。生理学、温浴で半数
 ・最近は原著減少
 ・公的機関との連携。省庁。
 ・国民保養温泉地、温泉利用型健康増進施設、届出医
 ・声明:入浴関連事故
  ・所轄部署、調査、科研
・温気をとりまく環境
 ・bathingの論文は増えている
 ・負の要因
  ・保険診療 適応範囲・診療報酬
  ・医学部講座 なし
  ・国家試験 項目なし
  ・専門医機構 対象外
  ・厚労科研 項目なし
  ・ほか:資格多種、営利団体、地熱発電、入湯税
・取り上げるべき課題
 ・医学研究
 ・自然環境、極地・宇宙医学も
 ・温気に期待されること
  ・研究
  ・環境整備
  ・連携
  ・親睦
・まとめ
 ・今後の研究活動
  ・自然の中の生体の反応
  ・自然環境の利用
  ・入浴関連有害事象の研究

(特別講演1)環境省 岡野隆宏「「新・湯治」の推進~今の時代に合った温泉地での過ごし方~」
・SDGSについて
・地域循環共生圏
・新型コロナのもたらしたもの
・新湯治推進プラン
・チーム新・湯治とは
・効果測定プロジェクト調査結果:リフレッシュできた、より健康になった、ストレスが少なくなった
・共同モデル調査
・温泉熱の有効活用の推進、導入事例
・国立・国定公園、温泉地でのワーケーション
 ・個人・企業へのメリット
 ・温泉地のメリット
・温泉地におけるワーケーション等実態調査報告
・多様なワーケションへ
・ゆけむり地域循環共生圏の創造へ

(特別講演1つづき)日本健康開発財団 石田心「同上」
・「新・湯治」で見えてきたこと
 ・温泉利用の実態
 ・温泉地全体の複合的な考察
・新興の場から新保養地へ
 ・全盛期は遊休の場で、施設内で過ごす
 ・バブル崩壊後は、団体から個人へ
 ・宿泊地全体での活性化が必要に
 ・通過型ではなく、滞在型の温泉地利用
・温泉利用型健康増進施設:22施設
 ・国民保養温泉地内は6カ所
・医療費控除の利用実態
 ・施設費用用、入浴利用料、交通費などが控除対象
・医療費控除の利用は397件
 ・課題
  ・認知度、人材育成、月の利用回数、宿泊費も控除対象に
・温泉療養指示書

(特別企画)竹田市長 首藤勝次「観光行政の取り組み~世界に~通用する個性的な温泉地づくり」
・日本一の炭酸泉湧出地を活かして
・長湯温泉
・炭酸泉を通して、ドイツと国際姉妹都市
・日本初の温泉療養保健制度:入湯税を財源に給付
・市内全域で国民保有温泉地
・産学官連携による温泉エビデンス調査
・温泉利用型健康増進施設(連携型)の認可。九州で初
・予防医療・自然治癒力を高める取り組み
 ・人材育成、エビデンスの蓄積、中核拠点整備
・連携型の推進
 ・入浴指導員96人
・新・湯治への挑戦
 ・温泉利用型健康増進施設を活用した市民・国民の健康づくりに関する事業
 ・長湯温泉の効能(エビデンス)調査に関する事業
 ・竹田市全域の国民保有温泉地としての魅力的な環境整備に関する事業
 ・健康づくりに寄与できる食生活改善の実践に関する事業
 ・観光地としての魅力を創出できる加工品の調査研究、並びに商品化と商品販売に関する事業
 ・全国レベルの温泉博士や地域づくり講師、およびシェフ等の誘致による講演会の実施に関する企画運営事業
 ・コロナ対策としてのワーケションやテレワークの誘致に関する事業
 ・温泉や福祉に関連する企業誘致に関する事業
 ・その他、行政棟の調査研究に関する受託事業
 ・スポーツ振興による健康づくり事業
 ・長期滞在システムの開発(アルベルゴ・デフード)に関する事業
 ・移住定住の推進に関する事業
 ・竹田市の「健康一直線」関連事業及び大分県信用組合の「健康宣言」の推進に関する事業
 ・財源は、ふるさと納税、企業版のふるさと納税

神戸 翼

神戸 翼

1983年4月8日生まれ。愛知県春日井市出身。 蕎麦鑑定士や温泉入浴指導員を取得するほどに蕎麦と温泉好き。キャンプ、山登り、ダイビング、フィッシング、スキー、写真撮影とアウトドア全般を行い、自然の中での活動を楽しみにしている。(写真は東京都西多摩郡檜原村の古民家にて庭の片付け中)

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