たまにグローバルヘルスに関する会議に出席する機会があり、今回はアジア各国のコロナの状況と高齢者施設の情報を収集。
世界的にもコロナの重症例は、高齢者が多いことは知られていますが、アジアの各国でもそれは同じです。特に、日本を先頭にアジアにおける高齢化はすごいスピードで進んでおり、コロナのような感染症流行下では大きな影響を受けかねないという懸念もあります。
一方で現状では、アジア地域では、欧米ほどの大きな流行にはなっていないとする見方もあります。
その背景の1つとしては、クラスターとなりえる高齢者施設の整備状況があるかもしれませんという話です。
ベトナムでは、すごいスピードで高齢化が進んでおり(まだ11.8%なので、日本からしたら…ですが)、課題となっていることの1つとして、住環境があります。高齢者へのケアをどこで行うのかという問題で、現在、高齢者用の住宅に住むのは約7%。在宅でケアを行うのか、高齢者施設を整備していくのか、政策的なアプローチがますます必要となります。
オーストラリアでは、7割が在宅ケア、2.5割が高齢者施設となっております。コロナの影響で、施設への面会者などビジター制限を行っています。また、生活用品の配達や在宅医療、PPEの配布などが行われ、政府としてのテレヘルスサービスとして、相談窓口を設置して、対応しています。ここでもやはり高齢者施設が1つのポイントになっているようです。
タイでは、ほとんどの高齢者は高齢者施設には入っておらず、在宅でケアを行っています。施設数はわずかに25施設という話で(本当かな?)、介護という意味では違った意味で在宅先進国になるのか。聞いている限りでは、その質がどうかまではわかりません。ちなみに、タイの興味深いところは、100万人のヘルスボランティアが存在し、全国でケアやヘルス情報の提供を行っているということ。日本であれば、IT技術を活用して行っているであろうことを人伝えで行うとのことですが、今回のコロナにおいても、そのボランティアが機能したようです。
カザフスタンでは、高齢者施設の話はなく、(その背景と考えられるが)、65歳以上はまだ7%代で、一元化された高齢者施策はないようです。一方で、コロナに対応するための政策パッケージを策定し、対応に当たっている。ちなみに、ベストプラクティスはボランティアやコミュニティ活動、これはどこの国でも共通なのかなと感じました。
そして最後は、中国。現在、コロナ患者数はかなり抑えられており、コントロール下にあると呼べます。(ただ、今回はよく言われる中国のデータの信憑性についてはおいておきます)。高齢者については、3-5%が高齢者施設で暮らしており、長期の介護が提供されています。コロナ流行時には、政府から無料の検査やケアが行われていたようです。今は不明。また、介護に関連したガイドラインを策定し、その数は13本以上ということでした。医療含めての本数という聞き間違いかもしれませんが、その中身が気になる限りです。ここでもお話がありましたが、やはりソーシャルディスタンスが重要で、施設介護ではなく在宅ケアであったことは、大きなポイントであったようです。ちなみに、マスクについては、国家として義務化したという話で、さすが中国と思ってしまいました。
そんなことで、アジア各国の高齢者施設とコロナ対応のさわり。聞いた話なので、出典を示せませんが、話題程度に聞き流していただければ。そこそこ興味深いかと思います。
さて、日本における高齢者施設でのコロナ対応。今後、どんな策をおこなっていくのかなーってそれを考えるのも自分の仕事でもあるんですがと少し現実逃避。